第5章:事業を軌道に乗せる「集客・販促」
戦略(攻めの実践)
起業初期にありがちな「ご祝儀相場」が落ち着いた後、いかにして「仕組み」で集客し、売上を安定・継続させるか。実体験ベースでさらに詳しく解説します。
この章で学ぶこと
- 個人でも回せる「仕組み化された集客」の作り方
- コストゼロでメディア露出を獲得した実例
- リピーターを育てる「理念の浸透」メソッド
1. 第5章 導入
・起業直後は、友人や知人がお祝い(ご祝儀)で商品を買ってくれる(来店してくれる)かもしれません。しかし、それは続きません。
・会社員時代の「営業力」は会社の看板や、あなたの「人」に依存したものでした。
・個人事業主が継続的に売上を上げるには、個人でも集客・販売できる「仕組み」が不可欠です。
2. Webサイト活用による「仕組み化」集客術
・私が飲食店を開業した当時(2000年代初頭)は、まだネット販促が黎明期でした。
・多くの競合が「チラシ」や「看板」といった従来型の手法に頼る中、私は「これからはITだ」と確信し、リソースをネット販促に集中投下しました。
・具体的には「飲食店ポータルサイト(集客用)」と「自社HP(SEO対策・ブランディング用)」を明確に使い分けました。
・ポータルサイトで新規顧客の「流れ」を作り、自社HPで「理念」や「こだわり」を伝え、ファン(リピーター)になってもらう戦略です。
・この「仕組み」を愚直に回し続けた結果、集客率・売上ともに年率10%UPを3年間継続させることができました。
3.【WORK 5】
集客の流れ
あなたの商品・サービスを知ってもらい、購入してもらい、リピーターになってもらうまでの「流れ」を書き出してください。
媒体と役割
どの媒体(SNS、HP、ブログ、広告など)で、それぞれどのような役割(認知、興味、比較、購入、ファン化)を持たせますか?
最新情報
時代の流れによって最適な媒体や販促方法は変わります。常に最新情報をキャッチアップし、効率的に事業を展開し続けてください(情報収集には付録で紹介する生成AIの活用も有効です)
4. コストをかけずに「権威性」を作るメディア露出術
無名の個人事業主が信頼を得るには「権威性」が不可欠です。「この人(サービス)は信頼できる」と思ってもらわなければ、商品は売れません。
・とはいえ、広告費はかけられません。そこで私は、メディアが「取り上げたくなる仕掛け」を考えました。
・お店のコンセプトは「お花畑をイメージした癒しの空間」。そこで、腕利きの料理人(店長)が作るアレンジ創作料理と、Bar並みの豊富なドリンクを提供し、お客様に物心両面で満足いただくダイニングバーを目指しました。
・立地はあえて都心を外し、少し郊外に出店しました。都内では埋れてしまう可能性があったことに加え、家賃も比較的安く抑えられたからです。また、その地域は人口規模も比較的大きく、競合店もほとんどなかったため、独自性が際立ちました。
・さらに「飲食店ポータルサイト」や「自社HP(SEO対策)」でこのコンセプトをしっかり発信したことも相まって、雑誌やテレビの取材依頼が舞い込むようになりました。
・結果として「大手有名雑誌」や「朝の情報番組」にも取り上げていただくことができました。メディア露出は、コストのかからない最大の「広告」であり、無名の個人事業主にとって絶大な「権威性」をもたらしてくれます。
5.【WORK 6】
独自性の発見
あなたがお客様へ提供する"商品"や"サービス"の「新規性」「社会性」「独自性」を具体的に言語化できますか?
プレスリリース作成
メディアの記者が「これは面白い!」と思うであろう切り口で、紹介文(400字程度)を作成してみましょう。(生成AIも活用しましょう!)
注意点
ただし、メディアに取り上げられたからといって、それだけで安心はできません。一時的な集客は見込めますが、それが継続的な集客に直結する訳ではないのです。本当に重要なのは、その「一過性」の注目を「継続的」な信頼に変えること。常に初心を忘れず、日々の丁寧なサービスを心がけてください。
6.「リピーター」を育てる理念の浸透
新規顧客の獲得コストは、リピーター維持の5倍かかると言われます。事業継続の鍵は、いかに「リピーター(ファン)」を育てるかにかかっています。
・第1章でお伝えした通り、私の理念は「お客様のありがとう = 利益」です。これをただの「お題目」で終わらせず、現場のアルバイトスタッフにまで浸透させることが重要でした。
・バックヤードには常に「お客様のありがとう = 利益」→「利益 = 給料」→「利益アップ = 給料アップ」というアルバイトでもわかりやすく、シンプルな論理を掲示。お客様からいただく「ありがとう」の積み重ねが、そのままお店の利益となり、ひいては自分たちの給料アップに直結することを、スタッフ全員が日々意識できるようにしました。
・理念が浸透した結果、スタッフのサービス品質が向上し、それがお客様に伝わり、「また来たい」と思っていただけるリピーターが増加しました。これが安定した売上の土台となったのです。
7.【WORK 7】
あなたの「理念」を「顧客サービス」に変換する
1. あなたの事業の「理念」は何ですか?
2. その理念を、お客様が「体験」できる具体的なサービスや行動に変換するとどうなりますか?(例:理念が「お客様のありがとう = 利益」なら、サービスは「お客様が何を求めているかを常に考え、期待を超える一言や気配りを添える」など)
3. 手間を惜しまず、理念に立ち返り、常に丁寧な対応を心がけていますか?
